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スペシャル対談 小川正人 × 山本ひとみ SPECIAL TALK SESSION

SPECIAL TALK SESSION

国際線のサービスをゼロからつくり上げたレジェンド。

国際線就航当初から客室乗務員としてゼロからサービスをつくり上げてきたお一人でもあり、
華々しいキャリアを積まれてきた山本ひとみ取締役副社長とTHL学校長であり元ANA総合研究所取締役会長によるスペシャルインタビュー。

about株式会社ANA総合研究所

8年連続「5スター」を獲得する航空会社グループ。

英国スカイトラック社から顧客満足度で最高評価となる「5スター」に8年連続で認定された日本最大手の航空会社ANA。そのグループ企業として、航空運送事業を通じて培ったナレッジを活用し、地域活性化や地域振興、人材活用やアイデア発掘、新たな発想での空港活用ビジネスモデルの研究等を大学や自治体をはじめ、各種団体とも連携しながら推進している。

仕事の現場では、
いつも本番でマニュアルがない。
それを楽しめる人が、
航空業界に向いている人。

[ 元株式会社ANA総合研究所取締役会長/学校長 ]
小川正人
MASATO OGAWA

一般社団法人ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構理事長、元株式会社ANA総合研究所取締役会長。1978年慶應義塾大学経済学部卒業。同年全日本空輸株式会社 入社。2009年 執行役員営業本部副本部長、2011年 上席執行役員名古屋支店長、2015年4月 株式会社ANA総合研究所取締役会長など数々の要職を歴任。現在も、地域活性化に邁進している。

[ 株式会社ANA総合研究所取締役副社長 ]
山本ひとみ
HITOMI YAMAMOTO

1981年全日本空輸株式会社へ入社。客室乗務員としてフライトに従事し、1998年に管理職に昇進。その後、客室本部客室乗務部長などを経て、2015年に執行役員 客室センター長に就任。ANAブランド客室部門統括、グループ女性活躍推進総括、東京オリンピック・パラリンピック推進本部副本部長を経て、 2019年4月より取締役常務執行役員に就任。2020年はグループD&I推進総括、オペレーション部門副統括、ANABlue Base・D&I推進・政府専用機オペレーションを担当。

「日本のおもてなし」は、
世界のひとへ予期せぬ感動を与える。

ーまずは小川校長にお伺いします。THLが開校して約半年が経過しましたが、学生の様子や率直なご感想をお聞かせください。

小川みんな和気あいあいとして非常に伸び伸びと勉強されています。私もお会いすると「楽しいですか?」とお声がけするのですが「とても楽しいです!」とおっしゃる方が多い。好きなことをやっている、夢に向かっているというのは、ご本人には励みになるのだろうなと思います。就職氷河期でありながらエアーラインコースは非常に盛り上がっていますよ。

ー4年制であるエアーラインコースでは、どのような人材を育成していらっしゃいますか。

小川これから世界のエアーラインに通用するには英語力が重要なので、しっかり英語を学んでいただきたい。4年間学べば世界中のエアーライン業界に通用するし、お気持ちが変わって他のホスピタリティ業界に興味を持っても、どこでも通用する人材になっていると思います。
また産学連携教育も本校の特徴の一つですが、学生のうちから現場を体験でき第一線で活躍するプロフェッショナルの方々に教わるというのは貴重な経験です。これからANAさんとは、職場見学や職場体験を予定していますし、山本さんがANA総合研究所の先生をされているので、しっかり連携していきたいと思います。

ー御社はアジアでは初の5スターを8年連続で獲得されるなど、世界からも高く評価されている要因は何だと思われますか?

山本機内のサービスも含めて地上から上空、また到着地へと一連した流れの中で、関連するグループ各社がお互いの仕事の内容の前・後工程も理解しながら次へバトンをしっかり繋ぎ、安心から信頼に繋がる顧客視点での終始一貫した取り組みが評価されたものではないかと考えております。提供している品質としては、安全、定時、快適、利便に加えて、昨年度においてはコロナ禍において衛生という観点も評価基準の一つとなっており、お客様に安心して過ごしていただくために、きれいで清潔な環境の提供を徹底したこと。加えて、日本のおもてなしが世界の方々にとって予期せぬ感動となり非常に高い評価をいただいたのではないかと思います。

小川例えばANAさんは、お客様がトイレに入られた後は必ずキャビンアテンダントの方が掃除をする。お客様に感動していただくことも多いですよね。

山本そうですね。次に利用する方が気持ちよくご利用いただけるように心がけております。
清潔感は世界一だと思います。

ー山本さんは、本当に華々しいご経歴を積まれ、さらにキャリアコースの整備など会社の改革にも携わっていらっしゃるとお伺いしました。御社でのキャリアの積み方は多岐にわたるのでしょうか。

山本客室乗務職で入社して一定の年齢になり経験を積んだ後、会社の試験を受けて総合職に転換する制度もありますし、客室乗務員として入社された方で一定期間2年から3年間地上の業務について学び、そしてまた客室乗務員になることもあります。

小川現在キャビンアテンダント出身の役員が5・6人出ていますし、極めればすごく活躍の場がありますよね。

山本ANAグループの仕事は多岐にわたり、私はその中のひとつの全日空商事に2年間出向していたことがあるのですが、そこではワインの買い付けや機内のお食事以外の全てのサービス物品、ドリンク類、ワイン類。それと機内で使う食器も含めて全部買い付ける仕事をしていました。
私はオペレーションも理解しているので、こういう素材と形状じゃなければダメとか、CAの業務手順上工程数が多いものであると、お客様をお待たせしてしまう等々。これまでの経験を活かしながら、お役に立つことはできたのかなと思います。とてもやり甲斐があり面白かったですよ。

ー御社ではチャレンジ精神を大切にされているとお伺いしました。求められる人材はどのような人ですか。

山本創業の精神からきているのですが「努力と挑戦をし続けられる人」「打たれ強い人」が良いと思います。それと「自分の頭で考え続けて答えを出し、行動に移せる人」。自分自身にも言い聞かせていることでもありますし、そういう方にぜひ入っていただきたいと思います。

ー面接にも携わられていたそうですが、第一印象ですべて分かるものですか?

山本分からないです(笑)。でも第一印象は大切だと思いますし、それだけで決めてはいけないとも思っています。最初に入ってきた時は誰しも緊張もしていますし、表情が堅いんですね。だからその方の素が出るような、ちょっと砕けた質問をして和んでいただいたり「その人らしさ」みたいなものを出せるような質問をします。でも、完璧を作ってきたなというのは分かります。そうすると人間味なく感じちゃいますし、質問に対する答えは完璧なのかもしれませんが、私たちはもっと人間味を出していただいた方が良いですね。

小川仕事の現場ではシナリオがないですからね。

山本この仕事においてマニュアル通りということはまずないですし、シナリオがないことを楽しめる人が向いていると思います。例えば、お食事サービスの際も一応コースで決まったお食事はあるのですが、お客様の体調やご要望を会話の中でニーズを探り出してアレンジしていきます。
ソースの種類やどんな材料で作られているとか「これは〇〇〇地方のお料理ですから、こちらのワインとのマリアージュがおすすめです」というように。グッと一気にお客様との距離が縮まりますし、それもまたちょっと楽しみなんです。機内もチームを組んで飛びますから、同一の価値観だけでなく色々な人間力を持った方たちの集合体として、一気に高いパフォーマンス集団を作るのがチーフパーサーの役割でもあると思っています。

ー学生のうちに日頃から心がけておくべきことはありますか?

山本言葉遣いですね。一度ついた癖はなかなか取れないので、日頃から正しい日本語をお話する癖をつけておくと良いと思います。それと英語力はどこへ行っても必須。1つの武器であることは間違いないので絶対に身につけておいたほうが良いと思います。 ー最後に航空業界のビジョンについてお伺いできますか?

小川航空業界は必ず復活する。これまで湾岸戦争やリーマンショック等様々な困難があり、大変な危機を乗り越えてきました。新型コロナウィルスの件についてもANAさんを見ていると非常に的確かつ早急に対応されたと思います。ですからこの危機を生き残った企業はさらに強くなると思っています。

山本おっしゃる通りで、私たちは筋肉質に生まれ変わるのではないかと。大変な状況ではありますがピンチはチャンスですから。ANAホールディングスの社長が、社員の雇用を守るとおっしゃってくださったので、現場も一般職の社員も含めその言葉がすごく心強かったと。
現在、客室乗務員は300~400名近く出向しているのですが、ありがたいことに本当に多種多様な所からお声がけいただいているので、それに応えられるように頑張ってくれています。またそのうち戻ってきた時には、よりダイバーシティ&インクルージョンが発揮されるような筋肉質な会社になっていくのではないかと楽しみにしております。