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スペシャルインタビュー アンドリュー・デブリト SPECIAL INTERVIEW

SPECIAL INTERVIEW

根本にある「人が好き」 という想いが大事

国際的に高い評価を受けるホテルを世界中で展開するラグジュアリーホテルブランド、フォーシーズンズ ホテルズ アンド リゾーツ。
日本国内では、2002年に「フォーシーズンズホテル丸の内東京」、2016年に「フォーシーズンズホテル京都」、
2020年に「フォーシーズンズホテル東京大手町」を開業。
今後、大阪、沖縄での開業も準備をしている。

[ リージョナルバイスプレジデント兼総支配人 ]
[ 滋慶学園COMグループ教育顧問 ]
アンドリュー・デブリト
ANDREW DE BRITO

1992年リージェントホテルクアラルンプール(旧フォーシーズンズホテル)にウェイターとして入社。フォーシーズンズホテル北京、フォーシーズンズホテルジャカルタ、フォーシーズンズリゾートアビアラ(現フォーシーズンズレジデンスクラブサンティエゴ、アビアラ)、フォーシーズンズホテル上海などを歴任。2019年フォーシーズンズホテル東京大手町総支配人に就任。

異文化を理解し、学ぶことを楽しんで
真のホスピタリティを身につけてください。

若き日に、ウェイターとしてフォーシーズンズホテルに入社、 現在は2020年9月に開業したフォーシーズンズホテル東京大手町の総支配人をつとめるアンドリュー氏に、 ホテルへの想い、そしてホスピタリティ業界の今を聞く。

スキルはいくらでも鍛えられる
1番大事なのは、人を想う心

ーパンデミック最中の開業でしたが、どのように苦難を乗り越えられましたか?

その期間は旅行が制限されていましたから、客室が満室になるということはありません。そんななかで、従業員の働くモチベーションを上げるため、セクションごとにそれぞれ面談、ディスカッションを繰り返しました。従業員ひとりひとりを気にかけ、抱えている不安を解消し、目標を共有することに注力したんです。
そもそも当ホテル最大の強みは、ここで働く人です。
だからこそ、働く人たちのケアを大事にしたいと考えました。そうしてパンデミックの規制がなくなり、国内外から多くのお客様で溢れるようになったその日、私たちはまるで2度目の開業の日を迎えたような気持ちになりました。お客様を想う、ホスピタリティそのものへの考え方は変わりませんが、オペレーションではパンデミック後は大きな変化がありました。コロナ禍は国内からのお客様がメインで、1泊や2泊と短い滞在が多いのですが、海外からとなると、長期滞在が増えてきます。そういうお客様にどうしたら満足していただけるか、改めて考えるきっかけになりました。

ー今後、フォーシーズンズホテルは日本国内で新たに開業する予定ですが、それぞれの概要を教えて下さい。

2024年の夏に大阪、2027年に沖縄での開業を目指しています。大阪はアーバンホテルとなりますが、旅館のように畳のフロアを設け、日本の文化を感じていただけるよう考えています。畳のフロアというのはフォーシーズンズホテルでは初めてのことなんですよ!一方沖縄は、リゾートホテルとして、客室からプライベートヴィラ、居住できるレジデンシャルも予定しています。

ーフォーシーズンズホテルではどのような人材が求められていますか?

人と関わることが好き、接客が好き、ということがもっとも大切だと考えています。スキルや知識はトレーニングできますが、根本に「人が好き」という想いがあることが絶対に必要です。ですので、私たちは採用の際にもそのようなことを質問しています。人が好きであれば、自分から自然と人のために動くことができます。それこそがホテルマンとしての大切な資質なのです。

ーホスピタリティ業界を目指す人は、今からどのような準備をしておくべきでしょうか。

異文化を理解し、学ぶことを楽しんでください。とても基本的なことですが、学ぶことに喜びを感じられる人がどんな仕事でも成功するでしょう。そして人と会って、コミュニケーション能力を磨いてください。人がなにを求めているのかを察知し、自分からその人のために動けるようになること、これは今、どんな場所にいても磨くことのできる、基本的で、そしてもっとも大事なスキルです。

世界中が日本の「おもてなし」に期待、
だからこそ高い能力を求められる

ー本校での授業「フォーシーズンズクラス」ではどんな印象を持ちましたか?

私たちのクラスではスキルに特化したことはお伝えしていません。なぜホスピタリティ業界で働きたいのか、その思いを明確にし、ホスピタリティ業界で働くためのマインドセットをつくっていくことを大事にしています。そのような授業の中で学生たちは、好奇心があり、学ぶ意欲があると感じました。とても刺激を受けますよ。

ーありがとうございます。アンドリューさんはそもそもなぜ、日本でフォーシーズンズホテルを開業しようと思ったのでしょうか?

世界中で多くの人が日本を旅の目的地に選んでいますから、フォーシーズンズホテルにとっても日本は決して外すことのできない大切な場所なんです。だからこそ東京、京都だけでなく、大阪や沖縄、さらに他の地域でも、と積極的に開業を考えていますよ。

ー従業員の満足度についてはどのようにお考えでしょうか?

世界中が日本の「おもてなし」に期待するため、日本のホテルスタッフには非常に高い能力が求められます。だからこそ従業員が雇用主であるホテルに求めるものも非常に高くなります。私たちは従業員の高い満足が得られるよう、ワークライフバランスやそれぞれの想いを大事にしています。具体的には年に2回、従業員たちに仕事に関する調査を行なっています。遠慮せずに本音を言ってもらいたいので、意見は匿名で届けられ、私たちはそのひとつひとつの意見に対して解決方法を探ります。そのようにして、日々働き方もなにがベストなのかを探り続けています。従業員が顧客満足を獲得していくように、雇用主も従業員満足を獲得し、お互いが高いものを求めあい、ともに切磋琢磨し、ハイレベルな循環がつくり出せていると思います。

SEMINAR & SPECIAL LECTURE

総支配人
アンドリュー・デブリト 氏による授業

フォーシーズンズホテルが大切にしていること、カルチャー、ゴールデンルールなどをお話し頂きました。様々な人たちと一緒に働く上で大切な「ダイバーシティ&インクルージョン」という考え方なども学び、フォーシーズンズホテルがお客様ももちろん働く社員も大切にしているという事を学ぶ貴重な機会になりました。