グランドスタッフに求められる英語力とは?TOEIC550点を目指すための学習法と現場で役立つ表現
「グローバルに活躍するグランドスタッフになりたい」
「でも、英語力って具体的にどのくらい必要なんだろう」
航空業界を目指す皆さん、こんな悩みはありませんか。
国際空港の最前線で活躍するグランドスタッフ。その仕事には高度な英語力が必要だと思われがちです。ただ、実際にどの程度の英語力が求められるのか、具体的にはよくわからない人も多いかもしれません。
本記事では、グランドスタッフとして活躍するために必要な英語能力について詳しく説明します。さらに、採用試験で求められるTOEIC550点を目指す学習方法も紹介します。
目次
グランドスタッフに必要な英語レベル
グランドスタッフに必要な英語レベルは具体的にどのくらいでしょうか。グランドスタッフの採用試験で求められる英語力について解説します。
TOEIC550点以上の英語力が求められる
グランドスタッフの採用試験で求められる英語力として、一般的にTOEIC550点相当が基準とされることが多いです。TOEIC550点は、空港での基本的な案内や顧客対応ができるレベルを意味し、多くの航空会社が採用時の目安としています。
ただし、より円滑なサービス提供のためには、さらなる英語力の向上が望ましいとされています。
各航空会社や関連企業が求めるTOEICスコア
実際の航空会社や関連企業のグランドスタッフ募集要項で求められる英語力を確認してみましょう。
ここでは、ANA成田エアポートサービス、JALスカイ、スイスポートの募集要項にある英語力の記載を紹介します。
各航空会社や関連企業名 | 求められるTOEICスコア |
---|---|
ANA成田エアポートサービス株式会社 | TOEIC550点、もしくは英検2級以上 |
株式会社JALスカイ | 英検2級、もしくは TOEIC550点程度以上 |
スイスポートジャパン株式会社 | TOEIC500点以上または同等以上の英語スキル(英検2級以上) |
採用基準は各社の方針や求人の特性によって変更される可能性があるため、常に最新の情報を確認しましょう。
グランドスタッフと客室乗務員が求められる英語力の違い
グランドスタッフは、チェックインから搭乗まで、顧客と詳細かつ重要な情報をやり取りする機会が多くあります。たとえば、フライトの遅延や荷物の紛失など、さまざまなトラブルに対して即座に解決策を提示する必要があります。
一方、客室乗務員も緊急時の対応は必要ですが、グランドスタッフほど多様な問題に直面する確率は比較的低いといえます。客室乗務員の業務は主に機内サービスに関連するもので、機内アナウンス、安全説明、飲食サービスなど、ある程度定型化された英語表現を使用する機会が多いのが特徴です。
ただし、両職種とも高度な英語コミュニケーション能力が求められることに変わりはなく、実践を通じて英語力を磨いていく必要があります。
実務で使える英語表現
グランドスタッフは、実務でどのような英語を使うのでしょうか。ここでは、以下の3つの場面に分けて、よく使用される定型フレーズをご説明します。
- チェックインカウンターでの対応例
- 搭乗ゲートでのアナウンス
- 緊急時のアナウンス
ただし、実際の業務では定型表現だけでなく、予期せぬ質問やトラブル、また時には雑談にも柔軟に対応できる英語力が求められます。
チェックインカウンターでの対応例
グランドスタッフがチェックインカウンターでよく使う英語例文をご紹介します。ただし、近年はオンラインでの予約システムと搭乗手続きの自動化が進んでいるため、従来のカウンターでの対面による搭乗手続き業務は軽減されつつあります。
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Could you show me your passport and itinerary, please?
パスポートと旅程表を拝見してもよろしいでしょうか。
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Where is your final destination?
最終目的地はどこですか。
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Are you carrying any firearms or flammable materials?
銃器や可燃物はお持ちでしょうか?
搭乗ゲートでのアナウンス
代表的な空港アナウンスの例を紹介します。
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May I have your attention please. ABC Airlines flights are now ready for check-in. All passengers on ABC flights, please proceed to ABC check-in counter.
ABC航空からご案内いたします。ただいまから出発便の搭乗手続きをおこないます。ご出発のお客様は、ABC航空カウンターにお越しください。
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May I have your attention please. ABC Airlines flight 965 to San Francisco will begin boarding. Passengers with small children and those requiring special assistance may board at this time.
ABC航空965便サンフランシスコ行きにご搭乗のお客様にお知らせします。小さなお子様連れのお客様や、特別なお手伝いを必要とされるお客様は、ただ今からご搭乗ください。
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May I have your attention please. ABC Airlines flight 965 to San Francisco will begin boarding. Passengers with small children and those requiring special assistance may board at this time.
ABC航空965便サンフランシスコ行きにご搭乗のお客様にお知らせします。小さなお子様連れのお客様や、特別なお手伝いを必要とされるお客様は、ただ今からご搭乗ください。
上記のアナウンス例は標準的な表現ですが、イレギュラーな事態が発生した場合は、状況に応じた柔軟なアナウンスが必要です。
緊急時のアナウンス
空港業務において、機体の不具合や悪天候によるフライトスケジュールの乱れは珍しくありません。ここではイレギュラー時のアナウンスの英語表現を紹介します。
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Attention all passengers. We regret to inform you that flight 567 bound for Sydney is currently delayed due to severe fog conditions at Brisbane Airport. We are closely monitoring the weather situation and expect to provide an updated departure time at approximately 2:15 PM. We sincerely apologize for any inconvenience this may cause and greatly appreciate your understanding during this time.
お客様にお知らせいたします。シドニー行き567便は、ブリスベン空港の濃霧の影響により、現在出発が遅れております。気象状況を注視しており、午後2時15分頃に新たな出発時刻をお知らせする予定でございます。ご不便をおかけして大変申し訳ございません。ご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
フライトスケジュールや搭乗ゲートに変更が生じた場合、タイムリーに正確な情報を知らせる必要があります。
TOEICで550点以上を取るための学習方法
多くの航空会社では、応募条件としてTOEIC550点程度の英語力を求めています。しかし、他の応募者と差をつけ、より確実に内定を獲得するためには、TOEIC550点を上回る英語力を身に付ける必要があります。
ここでは、TOEICの学習方法を紹介します。将来の目標に向けて、今から着実に準備を進めていきましょう。
中学・高校時代の英語学習内容を総復習する
中学や高校で学習する英語は、TOEICの基礎となります。特に文法や単語をしっかり理解していると、TOEICの読解問題や聞き取り問題で高得点が取れるようになります。
中学の英語の教科書を見直してみましょう。そこで学んだ文法を使って、TOEIC形式の問題を解いてみるのもよいでしょう。この基礎固めが、リーディングとリスニングの力を伸ばすことにつながります。
点数が取りやすいパートを重点的に学習する
TOEICで550点を目指すなら、まず点数が取りやすい部分から勉強するのがおすすめです。
リスニングでは、Part1(写真描写問題)とPart2(応答問題)が比較的簡単です。リーディングでは、Part5(短文穴埋め問題)とPart6(長文穴埋め問題)が点数を稼ぎやすいといわれています。これらのパートを集中的に勉強すれば、短期間でスコアを上げやすいでしょう。
初めてTOEICを受ける人は、自分の今の英語力を知るためにも公式問題集で模擬テストを受けてみてください。
TOEIC公式問題集で実践的な演習をおこなう
実際のTOEIC試験と同じような環境での演習は非常に大切です。公式問題集を使って、試験時間と同様に2時間で全ての問題を解く練習をしましょう。何度も公式問題集を解くことで、TOEICならではの問題の特徴がつかめます。各パートでの適切な時間配分が身に付くでしょう。
本番に近い環境で練習を重ねることで、テスト当日の緊張にも少しずつ慣れていけるはずです。
TOEIC550点突破を目指せる参考書
TOEIC550点を目指す場合のおすすめの参考書を3冊紹介します。自分のペースや学習スタイルにあわせて最適なものを選び、繰り返し学習しましょう。
参考書名 | 特徴 |
---|---|
キクタンTOEIC® L&Rテスト SCORE 600) |
・TOEIC600点を目指す単語帳 ・リズミカルな「チャンツ」方式の音声学習法で楽しみながら単語を学習 ・TOEIC必須単語を効率的に習得可能 |
TOEIC®︎ L&Rテスト 文法問題 でる1000問 |
・TOEICテストのPart5に特化した文法問題集 ・1049問の豊富な問題数 ・さまざまなタイプの文法問題を幅広く練習可能 |
公式TOEIC® Listening & Reading 500+ |
・TOEIC Program開発元のETSによる問題集 ・本番と同じ形式、難易度で学習可能 ・公式音声でリスニング力を強化 |
英語力だけではなく、国際感覚やコミュニケーション力も必要
グランドスタッフの仕事において英語力は確かに重要ですが、それと同様に求められるのが国際感覚とコミュニケーション力です。世界各国から訪れる、異なる文化や習慣を持つお客様に対して適切に対応できる能力が不可欠です。
たとえば、突然の飛行機の遅延や欠航など、予想外の出来事が起きたときに冷静に対処する力も求められます。また、空港で働く他の部門のスタッフと協力して問題を解決する能力も重要です。
英語力だけでなく、国際感覚や、問題解決能力、チームワークをバランスよく身に付けることで、世界中の旅行者に質の高いサービスを提供できる、真の国際的な人材になれるでしょう。
英語力と国際感覚を身に付けるなら専門学校
航空業界に特化した専門学校は、英語力と国際感覚を効果的に身に付ける一つの選択肢です。専門学校では実践的なカリキュラムが組まれており、英会話はもちろん、航空券の予約システムの操作や接客マナーなど、将来の仕事で直接役立つスキルを学べます。
多くの専門学校では、外国人講師による授業や海外留学プログラムを提供しており、異文化体験を通じて国際感覚を身に付けられます。さらに、航空会社で実際に働いた経験を持つ講師から学ぶ機会もあります。航空業界の最新の動向や、仕事をするうえでのノウハウを学べます。
東京ホテル・観光&ホスピタリティ専門学校の英語教育
グランドスタッフとして必要な英語力を高めたい方には、東京ホテル・観光&ホスピタリティ専門学校がおすすめです。
東京ホテル・観光&ホスピタリティ専門学校では、航空業界で求められる英語力の向上に特化したプログラムを提供しています。「聞く」「書く」「読む」「話す」の4技能をバランスよく学べるカリキュラムが特徴です。ネイティブ講師による授業で実践的な英語を学ぶため、卒業後すぐに活用できる英語力の獲得を目指せます。
強みの一つは、世界中のホスピタリティ企業との連携です。海外実学研修や長期語学留学、海外インターンシップなどのプログラムを通じて、グローバルな視野と国際感覚を磨く機会が豊富に用意されています。
また、少人数制・レベル別クラスでの指導やTOEIC対策講座も充実しています。さらに、接客スキルや異文化理解力を高めるためのカリキュラムも用意されており、英語力だけでなくグランドスタッフに求められる総合的なスキルの習得を目指せます。
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