人のためになる仕事とは?具体例20選と身につけたいスキルを解説

仕事は人生の大きな部分を占めるため、やりがいを感じられる仕事に就きたいと考えるのは自然なことです。やりがいを感じられる仕事のひとつである「人のためになる仕事」に就きたいと考える方も多いでしょう。
あらゆる仕事には人のためになる要素が含まれているものの、どのような形で人のためになるかという点においては、いくつかの特徴に分けられます。
本記事では、数ある人のためになる仕事のなかから、分野別に20の仕事を紹介します。また、人のためになる仕事の特徴や求められるスキルもあわせて解説していきます。
自分に合った「人のためになる仕事」を見つけるヒントとして、ぜひ参考にしてください。
目次
人のためになる仕事とは?その特徴を紹介
人のためになる仕事には、いくつかの特徴があります。ここでは、「人のためになる」という考え方について触れたのち、人のためになる仕事の特徴について紹介します。
- あらゆる仕事は人のためになる要素を含んでいる
- 困っている人を支援する仕事
- 社会的課題の解決に貢献する仕事
- 専門知識・経験を活かせる仕事
- 人々の生活基盤を支える仕事
それぞれ詳しく見ていきましょう。
あらゆる仕事は人のためになる要素を含んでいる
「人のためになる仕事」と聞くと、医療や福祉など特定の職種をイメージする方も多いかもしれません。しかし実は、どんな仕事にも誰かの役に立つ要素が含まれています。
たとえば、コンビニエンスストアのスタッフは、お客様の日常生活に必要な商品を提供することで社会に貢献しています。また、製造業の工場作業員は、人々が必要とする製品をつくることで、間接的に人々の生活を支えています。
仕事の本質とは、誰かの役に立つことです。どんな仕事でも、それを必要としている人がいるからこそ存在しています。
そのため、世の中にあるほとんど全ての仕事が、直接的または間接的に人のためになっていることを理解しておきましょう。
困っている人を支援する仕事
人々の課題や悩みを直接解決する仕事は、代表的な「人のためになる仕事」のひとつです。
たとえば、医療や福祉の現場で働く医師や看護師、介護福祉士などがこれにあたります。また、心の悩みや生活の困難を抱える人々をサポートするカウンセラーや社会福祉士も、困っている人を支援する仕事といえるでしょう。
これらの仕事は、支援を必要とする人と直接関わるため、相手の笑顔や感謝の言葉に触れる機会も多くなります。そのため、自分の仕事が誰かの役に立っているという実感や、やりがいを感じやすくなります。
社会的課題の解決に貢献する仕事
現代社会には、環境問題や少子高齢化、地域活性化など、さまざまな課題が存在します。これらの課題解決に取り組む仕事も、長期的に社会を運営するために必要な「人のためになる仕事」です。
具体的には、環境問題の解決に取り組む研究者や、貧困問題の解決に取り組むNPO職員などが該当します。また、行政機関で働く公務員も、地域の課題解決や住民サービスの向上に取り組んでいるという点で、社会的課題の解決に貢献しているといえます。
これらの仕事は直接的な成果が見えにくい場合もありますが、社会全体の発展や仕組みの維持には欠かせません。
専門知識・経験を活かせる仕事
専門的な知識や技術、経験を活かして人々の暮らしを支える仕事も、「人のためになる仕事」のひとつです。
たとえば、建築士は安全で快適な建物を設計し、プログラマーは便利なシステムやアプリケーションを開発します。また、弁護士は法的なトラブルを解決し、会計士は企業の健全な経営を支援します。
これらの仕事は、長年培ってきた自身の専門性を活かして他者や社会に価値を提供し、人々の生活をよりよいものにできる点が特徴です。
人々の生活基盤を支える仕事
私たちの日常生活を支えるインフラや社会システムを維持する仕事も、社会に欠かせない「人のためになる仕事」です。
例を挙げると、電気や水道、ガスなどのライフラインを管理する技術者や、公共交通機関の運転手、道路や橋を整備する建設作業員などが該当します。また、警察官や消防士は地域の安全を守り、私たちの暮らしの基盤を支えています。
人々の当たり前の日常を支えるこうした仕事は、社会の安定や平和のためになくてはならない存在です。
関連記事:人と関わる仕事とは?職種別の仕事10選と向いている人を紹介
【医療・福祉分野】人のためになる仕事5選
医療・福祉分野は、人々の健康と生活の質を直接支える重要な分野です。ここでは、代表的な5つの仕事の概要と、必要な資格を解説します。
- 医師
- 看護師
- 介護福祉士
- ケアマネージャー
- カウンセラー
順番に見ていきましょう。
医師
医師は、患者の診察や診断、治療をおこなう医療の中心的な存在です。病気やけがの治療だけでなく、予防医学や健康管理にも携わります。
医師になるには、6年制の医学部を卒業後、2年間の臨床研修を経て、医師国家試験に合格する必要があります。専門医になるには、さらに数年間の研修が必要です。
患者の命を預かる責任は重大なものですが、人々の健康を守る喜びも大きい仕事です。
看護師
看護師は、患者の世話や診療の補助をおこなう専門職です。訪問看護や老人保健施設など、活躍の場も広い仕事です。
看護師になるには、看護大学や短大、専門学校で3〜4年学び、看護師国家試験に合格する必要があります。
患者との密接な関わりがあり、心身両面からサポートする医療に欠かせない役割を担っています。
介護福祉士
介護福祉士は、高齢者や障害者の日常生活を支援する専門職です。食事、入浴、排泄などの介助や、生活環境の整備、レクリエーションの実施などをおこないます。
介護福祉士になるには、介護福祉士養成施設で学ぶか、実務経験を積んだあとに国家試験を受験する方法などがあります。
高齢化社会において需要が高まっており、人々の生活の質を支えるために必要不可欠な仕事です。
ケアマネージャー
ケアマネージャー(介護支援専門員)は、介護を必要とする人々のケアプランを作成し、適切なサービスを調整する専門職です。
ケアマネージャーになるには、医療・福祉関連の資格を持ち、実務経験を積んだあと、介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要があります。
高齢者の生活を総合的に支援する重要な仕事です。
カウンセラー
カウンセラーは、心理的な問題や悩みを抱える人々の相談に乗り、問題解決を支援する専門職です。
カウンセラーになるには、心理学を学び、臨床心理士や公認心理師などの資格を取得するのが一般的です。
現代社会のストレスが増加するなかでメンタルヘルスケアの重要性が高まっており、カウンセラーの需要は今後ますます高まるでしょう。
【教育分野】人のためになる仕事3選
教育分野は、次世代を育成し、社会の発展に貢献する重要な役割を担っています。ここでは、代表的な3つの仕事の概要と、必要な資格を解説します。
- 教師
- 保育士
- 塾講師
それぞれ詳しく見ていきましょう。
教師
教師は、児童や生徒の学習指導や生活指導をおこなう専門職です。
教師になるには、大学で教職課程を履修し、教員免許を取得する必要があります。その後、各都道府県が実施する教員採用試験に合格することで、公立学校の教師になれます。
教科の知識を教えるだけでなく、子どもたちの人格形成にも大きな影響を与える重要な仕事です。
保育士
保育士は、乳幼児の保育をおこなう専門職です。保育士になるには、保育士養成課程のある大学や短大、専門学校で学ぶか、保育士試験に合格する必要があります。
子どもの健やかな成長を支援するとともに、保護者の子育てをサポートします。
塾講師
塾講師は、学校外で生徒の学習を支援する仕事です。塾講師になるために特別な資格は必要ありませんが、教科の専門知識と指導力が求められます。
生徒の学力向上や進路の実現をサポートし、自信や学ぶ意欲を引き出します。
【公共・行政分野】人のためになる仕事4選
公共・行政分野は、社会の安全と秩序を維持し、市民生活を支える役割を担っています。ここでは、代表的な4つの仕事となり方を紹介します。
- 警察官
- 消防士
- 自衛官
- 自治体職員
順番に見ていきましょう。
警察官
警察官は、犯罪の予防と取り締まり、交通安全の確保など、社会の安全を守る仕事です。警察官になるには、都道府県警察が実施する採用試験に合格する必要があります。
体力と精神力が求められる仕事ですが、地域の安全を守り、市民の安心な生活に直接貢献できるやりがいがあります。
消防士
消防士は、火災の予防と消火、救急救助活動をおこなう仕事です。消防士になるには、各地方自治体が実施する採用試験に合格する必要があります。
危険と隣り合わせの仕事ですが、人命救助や災害対応など、市民の生命と財産を守る重要な役割を担っています。
自衛官
自衛官は、国の平和と独立を守り、国民の安全を確保する仕事です。平時の災害救助活動から有事の国防まで、幅広い任務を担当します。
自衛官になるには、防衛省が実施する採用試験に合格する必要があります。
体力と精神力が求められますが、国家の安全保障に直接貢献できるやりがいのある仕事です。
自治体職員
自治体職員は、地方公共団体で働き、地域住民のための行政サービスを提供する仕事です。福祉や教育、まちづくりなど、幅広い分野で住民の生活を支えます。
自治体職員になるには、各地方自治体が実施する採用試験に合格する必要があります。
地域の課題解決や、住民の暮らしをよりよくする業務に直接携われる仕事です。
【国際協力分野】人のためになる仕事3選
国際協力分野では、世界規模で人々の生活向上や社会問題の解決に貢献する仕事があります。ここでは、代表的な3つの仕事の概要を説明します。
- JICA職員
- NGO・NPOスタッフ
- 国際機関職員
詳しく見ていきましょう。
JICA職員
JICA(独立行政法人国際協力機構)とは、日本の政府開発援助(ODA)を一元的におこなう実施機関として、開発途上国への国際協力をおこなう法人(※)です。JICA職員は、開発途上国の社会・経済発展のためのさまざまな業務に従事します。
JICA職員になるには、募集案件により求められる資質や要件が異なるものの、一般的に、高度な専門知識や技術、情報収集能力、総合的な判断力などを備えている必要があります。
現地での活動も多くあり、自分の仕事が開発途上国の人々の生活向上や社会発展に直接貢献していることを実感しやすい仕事です。
(※)参考:JICAについて|独立行政法人国際協力機構
NGO・NPOスタッフ
NGO(Non-governmental Organization)は日本では「非政府組織」と訳され、NPO(Non-profit Organization)は「非営利組織」と訳されます。どちらも、利益を目的とせずにさまざまな社会貢献活動をおこなう民間の団体を指します。
NGO・NPOスタッフは、環境保護や教育支援、人権擁護など、従事する団体によってさまざまな問題解決に取り組んでいます。
NGO・NPOスタッフになるために特定の資格は必要ありませんが、団体の理念に共感し、熱意を持って活動できることが重要です。また、語学力や専門知識があると活動に役立ちます。
行政や企業では対応しきれない社会課題に、迅速かつ柔軟に取り組める仕事です。
国際機関職員
国際機関職員は、国連などの国際機関で働き、世界規模の問題解決に取り組みます。平和維持や人道支援、持続可能な開発など、幅広い分野で活動します。
国際機関職員になるには、大学院卒業以上の学歴と高度な語学力が必要です。また、専門分野での実務経験も重視されます。
キャリア形成には長期的な視点が必要なものの、グローバルな視点で世界の課題解決に取り組める、やりがいのある仕事です。
【サービス分野】人のためになる仕事5選
サービス分野では、直接人々の生活を豊かにし、喜びや快適さを提供する仕事があります。ここでは、代表的な5つの仕事の内容を紹介します。
- ウェディングプランナー
- ホテルスタッフ
- 観光ガイド
- 客室乗務員(CA)
- 飲食店スタッフ
順番に見ていきましょう。
ウェディングプランナー
ウェディングプランナーは、結婚式を挙げるカップルの希望を聞き、理想の結婚式を企画・運営するのが仕事です。衣装や料理、会場装飾など、結婚式に関するあらゆる面をサポートします。
ウェディングプランナーになるために特別な資格は必要ありません。未経験から就職することも可能ですが、ブライダル関連の専門学校で学んでから就職する方法もあります。
人生の大切な瞬間を演出し、幸せな思い出づくりに貢献できる喜びを感じられるでしょう。
関連記事:ウェディングプランナー(ブライダルプランナー)になるには?必要な資格やスキルをご解説
ホテルスタッフ
ホテルスタッフは「ホテリエ」とも呼ばれ、ホテルで働く従業員のことを指します。その役割はフロントや客室係、レストランスタッフなど、多岐にわたります。
ホテルスタッフになるために特別な資格を求められることは稀ですが、ホスピタリティについて学んだり、語学力やマナーを身につけたりすると就職で有利に働くでしょう。
お客様の要望に応え、心地よい空間と時間を提供することが仕事の中心です。
関連記事:ホテリエとは?仕事内容や年収、なり方などを詳しく解説
観光ガイド
観光ガイドは、旅行者に観光地の案内や情報提供をおこないます。歴史や文化、地理などの知識を活かし、旅行をより楽しく、充実したものにする役割を担います。
日本国内で日本人をガイドする際は特別な資格は不要ですが、それ以外の業務内容によっては資格が必要な場合もあります。そのため、専門学校や大学で体系的に学ぶのもおすすめです。
インバウンドが好調なこともあり、高い語学力やコミュニケーション能力も求められる仕事です。
関連記事:ツアーガイドになるには?仕事内容や必要な資格・スキルや年収を紹介
客室乗務員(CA)
客室乗務員(CA)は、航空機内で乗客の安全と快適さを確保する仕事です。安全に関する業務のほか、機内食の提供や乗客のサポートなどをおこないます。
CAになるには、各航空会社の採用試験に合格する必要があります。特別な資格は不要ですが、語学力(特に英語)を求められることが一般的です。
人々の大切な旅の思い出づくりをサポートできる点で、やりがいを感じられるでしょう。
飲食店スタッフ
飲食店スタッフは、レストランやカフェなどで接客や調理をおこないます。
飲食店スタッフになるために特別な資格は必要ありません。しかし、バリスタやバーテンダーなど、飲食のなかでもより専門性の高い技術を身につけたい場合は、調理やホスピタリティの専門学校で学ぶのもよいでしょう。
お客様においしい料理と心地よい空間を提供し、楽しい食事の時間を演出するのが仕事です。
人のためになる仕事に就くために身につけたいスキル
ここでは、人のためになる仕事に就くために身につけておきたい4つのスキルを紹介します。
- コミュニケーション能力
- 主体性やチャレンジ精神
- 問題を解決する力
- 社会貢献の意識
それぞれ詳しく見ていきましょう。
コミュニケーション能力
人のためになる仕事では、さまざまな人々と良好な関係を築くコミュニケーション能力が不可欠です。
たとえば、医療現場では患者の症状を正確に理解する「傾聴力」が、教育現場では生徒一人ひとりの悩みに寄り添う「共感力」が求められます。また、チーム医療など多くの人が協力する場面では「協調性」も重要です。
このように、人と接する機会の多い仕事では、相手の立場に立って考え、行動するためのコミュニケーションスキルが求められます。
主体性やチャレンジ精神
人のためになる仕事では、自ら考えて行動する主体性と、新しいことに挑戦する意欲が求められます。
たとえば、目の前の人が困っているときには、指示を待つのではなく自発的に行動を起こす積極性が必要です。これまでにない困難に直面したときも、諦めずに前向きに取り組む姿勢や、常に学び、成長しようとする姿勢が求められます。
この主体性やチャレンジ精神は、問題に対して新たな解決策を見出したり、自身を成長させるために役立ちます。
問題を解決する力
人のためになる仕事では、さまざまな問題を工夫して解決する力が必要です。
具体的には、目の前の課題を正確に把握し、その本質を理解する「分析力」が求められます。そして、解決に向けた方法を考え、計画を立てる「企画力」や、立てた計画を確実に実行し、必要に応じて軌道修正する「実行力」も必要です。
複雑な社会問題や個人の悩みに対して、適切なアプローチをする能力が求められます。
社会貢献の意識
人のためになる仕事に就くうえで、社会貢献への意識を持つことは非常に重要です。
社会の一員としての責任感を持ち、自分の仕事が社会にどのような影響を与えるのかを考えることは、よりよい社会の実現に向けて努力する原動力となります。また、自分の行動で社会が変化する様子は、仕事に対するモチベーションにもつながります。
社会貢献の意識を持って行動することで、結果的に人のためになる仕事ができるようになるでしょう。
まとめ:自分に合った「人のためになる仕事」を見つけたい方は、専門学校への進学もおすすめ
本記事では、人のためになる仕事の特徴や具体例、人のためになる仕事に就くために必要なスキルについて紹介しました。医療や福祉、教育、公共サービスなど、人のためになる仕事は社会のさまざまな場面で活躍の機会があります。
なかでも、サービス分野における「人のためになる仕事」は、ホスピタリティとスキルの両方が重要になります。ホスピタリティとは、単に思いやりを持つことではなく、お客様一人ひとりのニーズを理解し、最適なサービスを提供することです。
お客様に合った最適なサービスを提供するためには、専門的な知識やスキルの習得が欠かせません。
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