ホスピタリティの仕事とは?就職するために必要な資格や道筋を紹介
サービス業界を始めとして、「ホスピタリティ」という言葉をよく聞くようになりました。しかし、ホスピタリティの概念は知っていても、詳細がよく分からない人も多いのではないでしょうか。
「ホスピタリティの仕事はどんなものがあるの?」
「ホスピタリティの仕事に就きたいが、どういう方法があるのか知りたい」
本記事では、ホテルマンやキャビンアテンダントなど、ホスピタリティが必要な人材を育成する専門学校の立場から解説しています。ホスピタリティの仕事について深く理解できるでしょう。
わかりやすく解説したので、ぜひ参考にしてください。
目次
ホスピタリティの仕事とは?
ホスピタリティという言葉のもともとの意味は、広い解釈がありますが、狭義の意味では「おもてなし」や「思いやり」を意味します。
ホスピタリティは、ラテン語の「hosepes(ホスペス)」が語源と言われています。
「hosepes(ホスペス)」には、「客人の保護」という意味があります。もともとは、旅で街を訪れた巡礼者を世話することを意味しました。
これが転じて、「思いやりやおもてなしの心で相手に接すること」を指すようになりました。
広義では社会や自然との関わりにも使われますが、多くの場合は接客のような人同士の関係に使われます。したがって仕事上のホスピタリティは、相手の気持ちを汲み取り、心から相手をもてなすことです。
一言で言えば「相手を感動させる」ことに他なりません。しかし、感動するポイントは千差万別なので、万人に共通した正解のない難しくもやりがいのある仕事と言えるでしょう。
ホスピタリティの仕事の一覧と仕事内容
ホスピタリティの仕事を具体的に紹介します。本記事では、代表的な4つの業界をピックアップしました。
街中で見られるあらゆる接客業でも、ホスピタリティ精神は必要です。しかし、上記の業界では、さらに重視される傾向にあります。
順番に仕事内容を見ていきましょう。
①ホテル業界
ホテル業界は、数ある業界の中でもホスピタリティをイメージする方が多いのではないでしょうか? ホテルを訪れるお客様は、旅行や出張の疲れを癒やすために訪れます。
さらに、お客様の性格や好みに正解はありません。お客様に合わせてサービスの内容を変える必要があります。
たとえば、ホテルのフロントデスクは、お客様が来店して最初に接するスタッフです。コンシェルジュと併せて、お客様のことを第一に考えて行動しなくてはいけません。
もしホテルのフロントが無愛想だったり、態度が悪かったりすると、お客様は嫌な気分になってしまいます。
お客様は楽しい思い出を作るために旅行を計画し、快適に過ごすためにホテルを選んでいます。フロントの態度がいまいちだと、お客様の思い出を台無しにしかねません。
お客様の思い出を最高のものにしてもらうため、お客様のことを第一に考えましょう。お客様のことを第一に考えて行動すれば、お客様が「良い接客を受けた」と満足してくださる場面が増えます。
②ブライダル業界
ブライダル業界にも、ホスピタリティが求められます。
結婚式はカップルとその家族にとって、人生でも一度きりのビッグイベントです。カップルにとって最良の思い出になるよう、より細かな配慮が欠かせません。
結婚式には大勢のスタッフが関わり、1人で作り上げることは不可能です。たとえば、結婚式を総合プロデュースするウェディングプランナーは、カップルと何度も打ち合わせをして結婚式を作り上げます。
基本的にお客様は初めて結婚式を挙げる為、丁寧なサポートが必要です。お二人の「結婚」に対する思いを引き出し、提案すると、お客様から喜ばれます。ここで重要になる気持ちが、ホスピタリティの精神に他なりません。
③観光業界
観光業界にはさまざまなホスピタリティに関わる仕事があります。特に観光地のスタッフやツアーコンダクターが有名です。観光地ではツアーコンダクターとして、ツアーに参加されたお客様をもてなすことが主な仕事です。
日本人に加えて、訪日外国人の方々のガイドもあります。
語学や観光先の文化の知識を身につけて、お客様に満足して頂ける対応が求められます。
④航空業界
航空業界でも職種は様々ですが、キャビンアテンダント(CA)やグランドスタッフ(GS)等のお仕事は多くのお客様と接することから非常にホスピタリティを必要とします。
相手をするお客様は世界中の人々で、高い語学力が求められます。また、当然ながら出身国によって文化が違うため、失礼にあたらない行動や言動を相手に合わせて実施する必要があります。
難しい仕事ですが、そこにやりがいを感じる人も多いです。
ホスピタリティの仕事に就くには?
ホスピタリティの仕事はどれも大変な反面、高いやりがいを感じられる仕事が多くあります。しかし、ホスピタリティの仕事に就くことは、簡単なことではありません。
本記事では、下記4つの観点から解説します。
- ①資格
- ②スキル
- ③学校
- ④就職先や求人
①ホスピタリティの仕事に必要な資格
ホスピタリティの仕事は、必要な資格がいくつかあります。
ここでは下記の4つを紹介します。
- ①アソシエイト・ホスピタリティ・コーディネータ
- ②マナー・プロトコール検定
- ③コミュニケーションスキルアップ検定
- ④IELTS・TOEFL・TOEIC等の英語検定
ホスピタリティの仕事に就くために有利なため、資格取得を目指してみてください。
①アソシエイト・ホスピタリティ・コーディネータ
アソシエイト・ホスピタリティ・コーディネータとは、ホスピタリティの基本理解し、さらに自ら実践しなければいけません。
「おもてなし」のできるマインドとスキルの証明となり、組織内のリーダー役として活躍できるでしょう。
②マナー・プロトコール検定
マナー・プロトコール検定とは、NPO法人日本マナー・プロトコール協会が運営している資格です。3級、2級、準1級、1級があります。
マナーやプロトコール(国際儀礼)を認定するのが目的です。日本航空の客室乗務員の間では、「マナプロ」と呼ばれて親しまれています。
ビジネスマナーや国際人としてのプロトコルを学べます。
③コミュニケーションスキルアップ検定
ホスピタリティの仕事は必ずと言っていいほど、コミュニケーションが必要です。コミュニケーションスキルアップ検定を取得すれば、社会人として必要なコミュニケーション力の証明となるでしょう。
心地よい人間関係を築くためには体系的な学びが必要で、この検定がピッタリでしょう。コミュニケーションを意識して勉強する機会は少ないため、ホスピタリティの仕事を目指すならぜひ勉強してみてください。
④IELTS・TOEFL・TOEIC等の英語検定
英語検定には、IELTS・TOEFL・TOEIC等があります。
それぞれの試験は、以下のようになっています。
IELTSは、「International,English,Language,Testing,System」の頭文字を取ったもので、「アイエルツ」と読みます。英語能力に関する資格で、熟練度を測る検定です。
下記のような英語の4技能を測定します。
- リーディング
- リスニング
- ライティング
- スピーキング
実用性が高く、英語力の証明として世界中で受験者が増え続けています。
TOEFLは、「Test of English as a Foreign Language」の頭文字を取ったもので、「トーフル」と読みます。
TOEFLもIELTSと同じく英語の4技能を測定します。
- リーディング
- リスニング
- ライティング
- スピーキング
世界で実績のある英語能力測定試験であり、スコアは130カ国以上の国で活用できるため、海外の企業でも英語力の証明になります。
TOEICは、「Test Of English International Communication」の略で、「トーイック」と呼びます。
TOEICは、は以下の2技能を測定します。
- リーディング
- リスニング
国内の企業では、TOEICのスコアが求められることがあります。たとえば、大手航空会社では、「TOEICが600点以上」ということが募集要項に書かれています。
②ホスピタリティの仕事に必要なスキルは?
ホスピタリティの仕事に必要なスキルは、以下のとおりです。
- 気遣い
- 語学力
- 精神力
ホスピタリティの仕事は、思いやりやおもてなしの心で接客しなければいけません。
相手に対するちょっとした気遣いの積み重ねが重要です。しかし、ホスピタリティの仕事に就いたからと言って、いきなりできるようになるものではありません。
相手の気持ちになって行動したり、相手の望みを先回りして満たしたりと、普段から意識する必要があります。家族だけではなく、ふと立ち寄ったお店のスタッフにも、「ありがとうございます」と気遣いを心がけましょう。
また、ホスピタリティの仕事は、語学力が必要になる場合が多くあります。英語はもちろんのこと、場合によっては他の言語も扱えるようになるといいでしょう。世界中から人が集まる観光業界やホテル業界、航空業界は、特に重要視されます。
さらに、ホスピタリティの仕事は、お客様の要望に応えたり、悩みを解決したりと気を遣うため、精神力も必要です。
たとえば、ブライダル業界であれば、結婚式のやり直しはできませんし、旅行業界でも、お客様の貴重な旅行をお手伝いするので、気を遣う場面が多くあります。そのため、精神力も求められると覚えておきましょう。
③ホスピタリティの仕事を目指せる学校は?
ホスピタリティの仕事を目指すために、学校で勉強する方法があります。学校と言ってもさまざまで、下記のような場所で勉強可能です。
- ①短大
- ②大学
- ③専門学校
それぞれどんな特徴があるのか順番に見ていきましょう。
①短大
短大は、通常の大学とは異なり、一般的な教養を身につけられ、基本的に学生生活は2年間のため、大学よりも忙しくなりがちです。
ホスピタリティの仕事に関する短大も少なくはありませんが、専門的な授業数が一般教養科目を取得する為少ない傾向にあります。
②大学
大学は通常4年間にわたって勉強し、幅広い知識と視野を習得可能です。
実践的な内容より理論を重視する傾向にあり、学問を勉強します。一般教養の選択肢が多いため、見聞の広い人格を形成できるでしょう。
ただし、短大や専門学校に比べると実習が少ないのが特徴です。
③専門学校
専門学校は、志望分野に特化した勉強ができます。期間は学校によって違い、1〜4年とさまざまです。
一般教養が少なく、ほとんどが専門分野の勉強なので、卒業後は即戦力として働けるでしょう。
中でも、東京ホテル・ウェディング&IR専門学校は、ホスピタリティに関わる各業界につながる学科があり、専門的なカリキュラムが充実しています。現役で働くプロの講師から学び、最短距離で、ホスピタリティ業界のトップポジションに就けるためおすすめです。
今なら、体験入学・個別相談会も行っています。
④ホスピタリティの仕事の就職先や求人は?
ホスピタリティの仕事の就職先や求人は、多岐にわたります。人と人が関わる仕事には、ホスピタリティが求められることが多いため、幅広い選択肢があります。
「有名企業に就職をしたい」と思っている方は、有名企業と連携をしている学校を選ぶことがポイントです。有名企業と学校が提携しているので、確実に就職と限りませんが、就職の近道となります。
東京ホテル・ウェディング&IR専門学校は、業界との太いパイプを活かしているため、ホテル、ブライダル、エアライン、観光などで、世界有数の企業への就職実績があります。ほかにも、バーテンダーやパティシエやカジノやスポーツなどの業界への就職も目指せます。
また、「就職個別面談」「インターンシップ」などの就職サポートも充実しています。さらに、卒業後も「転職求人情報の提供」「独立のサポート」など、一生涯の就職のサポートも用意しています。
「有名企業で働きたい」「ホスピタリティを活かした仕事に就きたい」と思っている方の夢の実現をプロの立場から支援します。
ホスピタリティの仕事の給料は?年収は?
給料や年収は、ホスピタリティの仕事によってさまざまです。職種や役職によっても大きく変わるため、給料で一喜一憂する必要はありません。
たとえば、ホテル業界の年収は304〜892万円ほどで、幅広いです。どの職種でも経験が浅いうちの給料は高くなく、実績を積み上げると給料も上がりやすくなります。
ホスピタリティの精神でお客様に接していれば、自然と評価が上がり給料につながるでしょう。やりがいを見つけて、楽しむことが重要です。
ホスピタリティの仕事に向いている人
下記のような性格を持つ人が、ホスピタリティの仕事に向いていると言えます。
- 普段から気遣いできる人
- 世話好きな人
- 話しかけやすい人
- 体力がある人
普段から相手に気遣いできる人はホスピタリティの精神をすでに実践しています。相手をおもてなしする考え方や行動は、ホスピタリティの仕事に就くとさらに役立つでしょう。
ホスピタリティの仕事は、お客様のお世話をさせて頂くことが多いので、人を思い遣ることが好きな人なら、好きなことが仕事になると思います。
また、お客様の中には、予期せぬトラブルを抱える人もいるかもしれません。そんなとき頼りたいのは、話しかけやすい人。近寄りがたい雰囲気の人を頼りたいとは思いません。
笑顔が素敵だったり明るく爽やかだったりを心がけて、お客様に頼られるように意識しましょう。
さらに、ホスピタリティの仕事は体力勝負となることもあるため、体力がある人も向いています。
ホスピタリティの仕事のやりがいと魅力
ホスピタリティの仕事のやりがいと魅力は、以下のとおりです。
- ①自分の想いや考えで行動できる
- ②お客様から感謝して頂ける
- ③さまざまなお客様と触れ合える
ホスピタリティの仕事には、正解がないため想像力が求められる仕事です。お客様の満足を考えて、自らの想いや考えを形にして業務に当たれるのがやりがいです。
また、お客様から感謝して頂けるのも大きな魅力です。大変な仕事があっても、「ありがとうございました」とお客様から笑顔で感謝されると、「この仕事をしていてよかった」と思えるでしょう。
さらに、さまざまなお客様と触れ合うことができるのも魅力です。同じ職場でも、違うお客様から毎日違った刺激を頂けるのが魅力です。
ホスピタリティの仕事の将来性
AI技術が加速し、多くの仕事がAIに取って代わると言われています。しかし、本当のホスピタリティはAIでは難しいと言われています。したがって、ホスピタリティの仕事がなくなる可能性は低いでしょう。
新型コロナウイルスが落ち着けば、ビジネスが世界を視野に入れるため、航空業界やホテル業界は需要が増していくと考えられます。
AIにはできない人間らしいおもてなしで、今後もホスピタリティの仕事は盛り上がるでしょう。
まとめ:ホスピタリティの仕事になって人々に笑顔を届けよう
ホスピタリティの仕事は、相手を思いやる気遣いの気持ちが何より大切です。
サービスとは違って相手の気持ちを先回りする難しい職業ですが、おもてなしの心で将来のホスピタリティ業界を盛り上げていきましょう。
観光やホテルのような各業界に就職するためには、資格を取得すると有利になることがあります。学校で勉強しながら取得することがおすすめです。
特に、東京ホテル・ウェディング&IR専門学校は、各業界に直結した学科があります。専門的なカリキュラムとホスピタリティプログラムで、業界の即戦力に成長できる環境が整っています。
今なら、体験入学・個別相談会も行っています。
「将来は、ホスピタリティ関係の仕事に就きたい」と思っている方は、この機会にぜひ行動されてみてください。