TOEFLの難易度はどれくらい?項目別のスコア目安と対策のポイントを解説

TOEFLは、海外の大学に進学したい人や、英語力を証明したい人が受ける英語の試験です。試験はリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つの項目(セクション)に分かれており、それぞれの分野で英語力が測られます。英検のような合格・不合格の基準がないため、どの程度のスコアを目指したらよいか迷う人が多いのではないでしょうか。
これらの4つの項目の英語力レベルを知ることで、自分の今の実力がわかり、学習プランも立てやすくなります。本記事では、4つの項目について目標にしたい点数の目安と、スコアアップのための学習対策のコツを紹介します。
目次
TOEFLテストとは
TOEFLには2つの試験形式があります。一般受験者向けのTOEFL iBTと、学校・企業などの団体向けのTOEFL ITPです。TOEFL iBTは個人で受験できるオンライン方式のテストで、世界160ヵ国以上の教育機関で英語力の証明として認められています。一方、TOEFL ITPはペーパーまたはオンライン方式で実施される団体向けテストです。本記事では、TOEFL iBTについて、その特徴と受験方法を詳しく解説していきます。
TOEFLの試験概要について知りたい方は「TOEICとTOEFLは何が違う?目的にあわせた試験の選び方を解説」もご参照ください。
TOEFL iBTとは
TOEFL iBTは、大学・大学院での学習に必要な英語力を総合的に評価する試験です。大学の授業で教科書を読み、講義を聞き、ディスカッションに参加し、レポートを書くなど、学部レベルで求められる英語力を測定します。自然科学から社会科学、芸術まで、幅広い教養科目を題材に、大学での学習場面を想定した英語力テストです。
TOEFL iBTテストの構成と配点
TOEFL iBTテストの構成は以下のとおりです。
項目 | 時間配分 | 配点 | 問題内容 |
---|---|---|---|
リーディング | 35分 | 0-30 | 2パッセージ(各10問) |
リスニング | 36分 | 0-30 | 講義形式:3題 (各6問)、会話形式:2題 (各5問) |
スピーキング | 16分 | 0-30 | Independent task (1問)、Integrated tasks (3問) |
ライティング | 29分 | 0-30 | Integrated task (1問)、Academic Discussion task (1問) |
TOEFLのスコア帯別のレベル
TOEFLは、海外の大学での学習に必要な英語力を測るテストです。授業を理解し、ディスカッションに参加し、レポートを書くなど、実際の大学生活で必要となる英語力がスコアに表れます。では、スコア帯ごとに、どの程度授業に対応できるのか、具体的に見ていきましょう。
TOEFLスコア | 大学・大学院の授業での英語対応力 |
---|---|
90-120 |
・英語の難しい授業でも十分理解できる。 ・基本的に語学サポートの授業は必要ないが、専門分野のレポートの書き方に関してはサポートが必要な場合がある。 |
70-89 |
・英語要求レベルが中程度の授業であれば基本的に理解できる。 ・英語要求レベルの高い授業では、TOEFLの各項目スコアで弱みが見られる分野について、語学サポートの授業が必要になる場合がある。 |
60-69 |
・英語のサポートがしっかりしている学校なら、授業についていける可能性はある。 ・ただし、語学サポートの授業(基礎英語や学術的な英語)を受ける必要がある。 |
60未満 |
・授業内容を理解するのは難しい。 ・本格的に授業を受ける前に、1年以上の集中的な英語学習が必要。 |
項目別TOEFL iBTスコアの目安
TOEFL iBTは、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つの項目で構成され、各項目には習熟度に応じたスコア基準が設けられています。スコアはAdvancedからBelow low intermediateまで段階的に設定されています。ここでは、各項目の試験内容とスコア目安を解説します。
リーディング
リーディングでは、約700語のパッセージが2題出題されます。各パッセージには10問の設問が設けられており、解答を選択肢から選ぶ問題や、本文中の適切な場所へ文を挿入する問題などがあります。出題分野は人文・社会・自然科学系と多岐にわたり、受験者の総合的な読解力が問われます。
レベル | スコア範囲 |
---|---|
Advanced 上級 (CEFR:C1) |
24~30 |
High-intermediate 中級上 (CEFR:B2) |
18~23 |
Low-intermediate 中級下 (CEFR:B1) |
4~17 |
Below low intermediate 中級下未満 | 0~8 |
リスニング
リスニングでは、実際の大学生活で体験する場面での英語リスニング力が試されます。全28問あり、キャンパス内での対話形式と講義形式の2種類で構成されています。対話形式はキャンパスでの会話で、学生や大学職員などの対話が2題(10問)出題されます。講義形式は教授の講義で、人文・社会・自然科学などの幅広いテーマについて3題(18問)出題されます。
レベル | スコア範囲 |
---|---|
Advanced 上級 (CEFR:C1) |
25~30 |
High-intermediate 中級上 (CEFR:B2) |
20~24 |
Low-intermediate 中級下 (CEFR:B1) |
16~19 |
Below low intermediate 中級下未満 | 0~8 |
スピーキング
スピーキングでは、大学生活で必要となる英語での発話力を測ります。スピーキングテストは、Independent taskとIntegrated tasksの2種類で構成されています。身近なトピックについて自分の意見を論理的に述べたり、講義内容を理解したうえで要点を説明したりするなど、実践的な英語スピーキング力が問われます。
レベル | スコア範囲 |
---|---|
Advanced 上級 (CEFR:C1) |
25~30 |
High-intermediate 中級上 (CEFR:B2) |
20~24 |
Low-intermediate 中級下 (CEFR:B1) |
16~19 |
Basic 基礎 (CEFR: A2) |
10~15 |
Below low intermediate 中級下未満 | 0~8 |
ライティング
ライティングは、実際の大学生活で必要とされる文章作成能力を評価します。テストは2つの課題で構成されており、1つ目のIntegrated taskでは、英文を読み、その内容に関連した講義を聞いたうえで、それらの情報をまとめてレポートを作成します。2つ目のAcademic Discussion taskでは、提示されたテーマについて学術的な議論を展開します。いずれの課題でも、制限時間内に論理的な構成を組み立て、適切な学術的表現を用いて自分の考えを明確に表現する必要があります。
レベル | スコア範囲 |
---|---|
Advanced 上級 (CEFR:C1) |
24~30 |
High-intermediate 中級上 (CEFR:B2) |
17~23 |
Low-intermediate 中級下 (CEFR:B1) |
13~16 |
Basic 基礎 (CEFR: A2) |
7~12 |
Below low intermediate 中級下未満 | 0~6 |
TOEFLスコア換算表(TOEIC・英検との難易度比較)
TOEFL iBTの難易度を把握するため、国際的な英語力の指標であるCEFRを基準に、TOEIC(Listening & Reading)と英検のスコアを比較してみましょう。これらの試験は、それぞれ目的や評価方法が異なりますが、CEFRに基づいて各試験のスコアレベルを比較できます。
CEFR | TOEFL iBT | TOEIC L&R | 英検 |
---|---|---|---|
C2 | 114点~ | 該当なし | 該当なし |
C1 | 95点~ | 945点~ | 1級 |
B2 | 72点~ | 785点~ | 準1級~1級 |
B1 | 42点~ | 550点~ | 2級〜準1級 |
A2 | 該当なし | 225点~ | 準2級~2級 |
A1 | 該当なし | 120点~ | 3級 |
TOEFL iBTは他の2つの試験と比べて、より高度な英語力を測定することに重点を置いています。国際的な英語力の指標であるCEFRは6段階(A1、A2、B1、B2、C1、C2)に分かれていますが、TOEFLは上位4段階(B1、B2、C1、C2)のみを測定対象としています。TOEFLは他の英語試験と比べても難易度の高い試験といえます。
日本人のTOEFL平均スコア
日本語を母国語とする受験者と、韓国語、中国語を母国語とする受験者の平均スコアです。
母国語 | リーディング | リスニングR | スピーキング | ライティング | 総合点 |
---|---|---|---|---|---|
日本語 | 19 | 19 | 17 | 18 | 73 |
韓国語 | 22 | 22 | 21 | 21 | 86 |
中国語 | 23 | 22 | 21 | 21 | 87 |
日本人の平均スコアである73点は、英検準1級から1級の間のレベルに相当し、十分に評価される英語力です。さらに80点台のスコアを取得すると、多くの海外大学への留学が可能な英語力があり、日本の一流大学の英語専攻の学生が目指すレベルといえます。
TOEFL iBT対策のコツ
TOEFL iBTで目標のスコアを実現するには、試験の特徴を理解し、各項目の対策を計画的に進めることが重要です。ここでは、効率的な試験対策のポイントを紹介します。
TOEFL iBTのテスト形式に慣れる
TOEFLはオンライン方式で実施される2時間のテストです。高得点を目指すには、各項目の出題形式や制限時間を理解し、本番と同じ環境で練習することが大切です。パソコンを使って問題を解き、タイピングやマウス操作にも慣れておきましょう。
模擬テストを通じて時間配分の感覚をつかみ、落ち着いてテストに臨めるように準備してください。本番では自分のペースを守り、集中力を保つことが重要です。
必須単語の習得を目指す
TOEFLでは、大学の講義や教科書でよく使われる学術的な単語が多く出題されます。TOEFL対策用の単語帳を活用して、計画的に単語を覚えていきましょう。
問題を解くなかで出てきた新しい単語は、その前後の文章の意味と結びつけて覚えると、しっかりと身に付きます。特に、環境問題や科学技術など、専門的な分野の単語は普段の生活ではあまり使わないため、意識して学習する必要があります。
英語アウトプット力を鍛える
TOEFL iBTでは、大学の授業で必要とされる英語を話す・書く能力が試されます。英語の知識を積み上げるだけでなく、実際に使いこなせるようになることが重要です。
スピーキングでは、授業でのプレゼンテーションのように自分の意見を英語で伝える練習をしましょう。ライティングでは、論理的な構成で文章を書く必要があります。実践的な練習を続けることで、本番で力を発揮できるでしょう。
海外留学を目指すなら専門学校がおすすめ
TOEFLは、英語を母語としない人々を対象とした世界基準の英語能力試験です。北米やイギリス、オーストラリアをはじめとする世界中の大学や教育機関で広く認められており、高得点の取得は、海外大学への進学はもちろん、企業への就職や転職の際にも大きな強みとなります。
英語力を測定する試験には多くの種類がありますが、自分の目標や用途に合った試験を選ぶことが重要です。TOEFLとTOEICの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:TOEICとTOEFLは何が違う?目的に合わせた試験の選び方を解説
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