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TOEICとTOEFLは何が違う?目的に合わせた試験の選び方を解説

英語の資格試験として広く知られるTOEICとTOEFL。就職や留学、キャリアアップなど、さまざまな目的で受験を検討する人が多い一方で、それぞれの試験の特徴や違いを正確に理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。

TOEICもTOEFLも信頼性の高い英語試験ですが、両試験はその目的や特徴が異なります。両試験の違いを理解すれば、自分の将来のキャリアプランに合った試験を選ぶことができるでしょう。本記事では、TOEICとTOEFLの特徴を詳しく比較しながら、目的に合った試験の選び方を解説します。

TOEICとTOEFLの違いとは?

TOEICとTOEFLの違いとは?

TOEICとTOEFLは、ともに世界的に認知されている英語資格試験ですが、それぞれの特徴と活用方法には違いがあります。

本記事では両試験の違いをわかりやすく解説します。まずはそれぞれの試験の特徴から見てみましょう。

TOEICの特徴

TOEICは、日常生活やグローバルビジネスにおける実践的な英語力を測定する、世界160ヵ国で実施されているテストです。テストには2種類あり、リスニングとリーディング力に特化したTOEIC L&Rテストと、スピーキングとライティング力に特化したTOEIC S&Wテストがあります。特にTOEIC L&Rテストは、多くの企業や教育機関で採用される代表的な英語資格試験として認知されています。

TOEFLの特徴

TOEFLは、英語を母語としない人のための世界標準の英語テストです。受験方法は、インターネットで個人受験できる「iBT」と、学校などの団体で受験できる「ITP」の2種類があります。全世界で4,000万人以上が受験し、日本でも2000年以降130万人以上が受験しており、TOEFLは国際的な英語力証明として確立されています。

受験目的

TOEICは主に、就職・転職、昇進、海外赴任など、ビジネスでの英語力証明を目的に受験されます。教員採用試験や公務員試験での加点対象となるほか、企業によっては手当や報奨金の基準としても活用されています。

一方TOEFLは、英語圏の大学・大学院への留学に必要な英語力証明として、世界160ヵ国13,000以上の教育機関で広く採用されています。

ただし、TOEICとTOEFLの活用方法は、必ずしも明確に区分されているわけではありません。どちらも英語力を証明するためのテストです。留学の際にTOEICスコアが考慮されたり、就職時にTOEFLスコアが評価されたりすることもあります。

試験概要

次に、TOEFL iBTとTOEIC L&Rの試験概要を比較してみましょう。

項目 TOEFL iBT TOEIC L&R
満点のスコア 120点(各セクション30点) 990点(各セクション495点)
試験時間 約2時間 公開テスト:2時間
IPテスト:2時間
IPテスト(オンライン):1時間
受験料 $245 公開テスト:7,810円
IPテスト:4,230円
年間の試験回数 ・120回以上(全国40ヵ所以上のテストセンター)
・自宅でのオンライン受験もあり
公開テスト:18回(2024年度)
受験方式 オンライン方式 公開テスト:マークシート方式
IPテスト:マークシート方式・オンライン方式

TOEFLは全国40ヵ所以上のテストセンターで、土曜日の午前・午後、日曜日の午前に定期的に開催されています。TOEICは公開テストのほか、企業や学校などを対象とした団体向けのIPテストも提供しており、より多くの受験機会があります。

試験内容

TOEIC L&R はビジネスや日常生活で必要とされる実用的な英語力を、リスニングとリーディングの2技能で評価します。実際のビジネスシーンを想定した会話や文書理解、オフィスでのコミュニケーション、電話応対、会議、商談など、実務に即した場面から出題されます。

これに対してTOEFLは、英語圏の大学・大学院での授業や学生生活で必要な英語力を、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能で総合的に評価します。試験の特徴として、「資料を読んだり講義を聞いたりしたあとで、その内容について意見を述べたり文章を書いたりする」という、実際の大学生活に近い形式の問題が含まれています。

TOEICとTOEFLの難易度比較

TOEICとTOEFLの難易度比較

TOEICとTOEFLの難易度を、国際的な語学力の物差しであるCEFRで比較してみましょう。CEFRとは、外国語の運用能力を測る国際基準で、世界中で広く採用されています。
CEFRの評価は6段階あり、最上級のC2から、C1、B2、B1、A2、そして最も基礎的なA1まであります。この基準を使えば、異なる英語試験の難易度を客観的に比較できます。では、TOEICとTOEFLの得点が、CEFRのどのレベルに相当するのか見てみましょう。

CEFR TOEIC (L&R) TOEFL iBT
C2
最上級レベル
該当なし 114点~
C1
上級レベル
[リスニング] 490点~
[リーディング] 455点~
合計:945点~
95点~
B2
中上級レベル
[リスニング] 400点~
[リーディング] 385点~
合計:785点~
72点~
B1
中級レベル
[リスニング] 275点~
[リーディング] 275点~
合計:550点~
42点~
A2
基礎レベル
[リスニング] 110点~
[リーディング] 115点~
合計:225点~
該当なし
A1
初級レベル
[リスニング] 60点~
[リーディング] 60点~
合計:120点~
該当なし

表からわかるように、TOEICはCEFRのA1からC1まで幅広いレベルに対応しているのに対し、TOEFLはB1からC2までと、より高度な英語力の測定に重点を置いています。

目的別|TOEICとTOEFLの選び方

本気で英語を学びたいなら専門学校がおすすめ

TOEICとTOEFLは、それぞれが異なる目的と特徴を持つ英語試験です。ここでは、キャリアプランや目的別に応じた、それぞれの試験の活用場面を解説します。

就職・転職活動に活かすならTOEIC

国内の就職・転職活動において、TOEICは最も一般的な英語力証明の手段として定着しています。多くの企業が採用基準や昇進・昇給の要件としてTOEICスコアを採用しており、ビジネス英語を重視した出題内容は、実務での英語力を測る指標として高く評価されています。

日本人のビジネス英語力向上を目的として日本で開発された経緯から、国内での就職・転職活動で特に重視される資格となっています。

英語圏の大学進学を目指すならTOEFL

TOEFLはアメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランドなどの英語圏の大学・大学院への留学に必須の試験です。各大学・学部が定める最低スコアをクリアすることが入学要件となっており、試験内容も実際の大学生活で使用される英語を反映しています。出題される題材は大学レベルの学術的な内容で構成されているため、留学後の学習にも直接役立ちます。
ただし、イギリスなど一部の国では、別の英語試験(IELTS)が求められることもあるため、志望校の要件は必ず確認しましょう。

航空業界を目指すならTOEIC

航空業界ではTOEICが英語力評価の標準として定着しています。客室乗務員の採用時には一般的にTOEIC 600点以上、グランドスタッフでは550点以上が基準とされ、空港での基本的な案内や顧客対応が可能なレベルとされています。また、この基準は昇進・昇格の要件としても活用され、搭乗手続きや機内アナウンスなど、実務に直結した英語コミュニケーション能力の指標として重視されています。

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目的別|TOEICとTOEFLの選び方

TOEICとTOEFLは、それぞれ特徴があり、活用場面が異なります。TOEICは国内のビジネスシーンでの活用に強みを持ち、就職・転職時の英語力証明や昇進要件として広く採用されています。一方TOEFLは、英語圏の大学留学に必須の試験として世界的に認知されています。ただし、両テストの活用は必ずしも厳密に区分されているわけではなく、目的に応じて柔軟に選択できます。

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