専門学校で学ぶメリットは?大学や短大との違いも解説

高校生の皆さんのなかには、卒業後の進路について悩んでいる方も多いのではないでしょうか。専門学校や大学、短大など、どの道を選ぶべきか迷うこともあるでしょう。特に、専門学校について「具体的に何を学べるのか」「どんなメリットがあるのか」が分からないという人もいるかもしれません。
そこで本記事では、専門学校で学ぶメリットや大学、短大との違いについてわかりやすく解説します。自分に合った進路を見つけるヒントに、ぜひお役立てください
目次
専門学校とは
専門学校とは、実践的なカリキュラムを通して職業に直結する知識やスキルを学ぶ場です。大学と同じく「高等教育機関」に分類されています。
専門学校の就業年数は、2年制が一般的ですが、教育内容によって1年制から4年制まで幅広く設定されています。卒業後は即戦力としての活躍が期待され、多くの場合、就職先は学んだ分野に直結します。また、一定の条件を満たすことで、大学や専門職大学への編入も可能です。
専門学校には、観光やホテル、ブライダル、ファッション、医療などのさまざまな分野の学科が存在します。実践的な職業教育でプロフェッショナルを育てる学校だといえるでしょう。
専門学校で学ぶメリット
専門学校で学ぶメリットには以下のようなものがあります。
- 実務能力が身に付き即戦力として働ける
- 業界への就職に強い
- 大学や短大にはない学科や専攻がある
- 効率的に資格取得を目指せる
- 同じ目標の仲間と学べる
それぞれ具体的にみていきましょう。
実務能力が身に付き即戦力として働ける
職業に直結する知識や技術が身に付くため、卒業後は即戦力として働けるというメリットがあります。
ホテル系やブライダル系、観光系、医療系、美容系など幅広い分野の学校があり、それぞれで実践的な授業をおこないます。
充実した施設設備でおこなわれる学内実習や、現場を体験できる学外実習、企業と連携したプロジェクトなど実務能力を身に付けるためのカリキュラムが豊富です。また、現役のプロが講師として指導してくれるケースもあります。
専門学校で学んだスキルや知識を活かして卒業後は即戦力として働ける点は、大きなメリットといえるでしょう。
業界への就職に強い
業界への就職が強いのも魅力の一つです。専門スキルを身に付けた学生を求める企業も多くあり、専門分野の求人が多く集まりやすいです。企業にとっては入社後のミスマッチが少ないことも理由の一つになっています。
即戦力として期待され、選考が有利になるケースもあるでしょう。多くの学生が関連する職種に就職しているため、専門学校と業界とのつながりは自然と強くなるのです。
また、専門学校では一人ひとりへの就職のサポートが手厚いのも特徴です。大学での就職活動は、自ら就職サイトで情報収集し、応募先を見つけるケースが多いです。自分の適性やマッチする企業がどこなのかも自ら分析する必要があるでしょう。
一方で、専門学校では自分をよく理解してくれているクラス担任や就職支援部、キャリアセンターが親身になって企業選びや相談にのってくれます。就職への意識が高められる就職ガイダンスが入学後すぐにスタートするなど、学校としてのバックアップが就職の強さにつながっているといえます。
大学や短大にはない学科や専攻がある
専門学校で学べるジャンルは幅広く、大学や短大には存在しない学科や専攻があるのも魅力の一つです。
たとえば、ブライダル業界への就職を希望している場合、専門的に学べる大学は存在しません。大学や短大に進学する場合は、観光学や経営学などを専攻するケースが多いです。
このように、大学や短大にはない学科や専攻があるため、将来就きたい仕事がある人や専門的に学びたい人にとってはメリットが大きいでしょう。
効率的に資格取得を目指せる
専門学校では、資格取得を前提にカリキュラムが組まれていて、効率的に資格取得を目指せます。授業内容が資格取得に直結しており、日常的に試験対策ができます。資格取得前にはカリキュラムが試験対策重視に変更になるなど、特別なサポート体制が整っているケースもあります。
また、保育士や栄養士、幼稚園教諭などを目指す人が専門学校卒業と同時に資格を取得できる学校もあり、効率的に資格を目指したい人におすすめです。
同じ目標の仲間と学べる
専門学校には同じ目標の仲間が集まります。切磋琢磨しながら、業界への就職を目指せるためモチベーション維持にもつながるでしょう。
一方、大学や短大は目標や将来の展望の異なる学生が多く集まります。刺激はし合えますが、情報交換などは難しく、自己管理が専門学校以上に必要になってきます。
このように、仲間と励まし合いながら学べる環境は専門学校ならではです。
専門学校のデメリット
専門学校で学ぶメリットを紹介していきましたが、デメリットはあるのでしょうか。ここではデメリットといえる2点を紹介していきます。
- 進路変更が難しいことが多い
- スケジュールが忙しくなる
それぞれ具体的にみていきましょう。
進路変更が難しいことが多い
専門学校は専門分野を学ぶことに特化しているため、入学後の進路変更が難しいというデメリットがあります。
たとえば、美容業界を目指していたけれどホテル業界に変更したいなど気持ちが変わった場合、簡単に進路変更することは難しいです。ただ、専門学校のなかには、自分の専攻分野を学びながら他の専攻科目も学べる学校もあります。いくつかの専攻科目で悩んでいる人は、そういった学校を探すのもおすすめです。
スケジュールが忙しくなる
専門学校は基本的には時間割が決まっており、休みの日数も大学や短大より少ない傾向にあります。資格取得に力を入れている学校では、カリキュラムとして長期の実習や演習が組まれているケースも多いです。そのため、スケジュールが忙しいと感じる学生もいるでしょう。
しかし、高校と同様に担任制を採用している学校も多く、生活面や学習面でのサポートが手厚いのも特徴です。なかには、放課後の補習を実施する学校もあり、こうしたきめ細やかな対応は専門学校ならではの魅力といえます。
また、休みの日数が少ない2年制学校と比べると、3・4年制の専門学校では学びたい分野を丁寧に学ぶことができます。修業年数を踏まえて学校や学科を選ぶことで、自分のペースで学びを進めることができるでしょう。
大学と専門学校はどう違う?4つの視点から違いを解説
大学と専門学校のおもな違いは以下のとおりです。
大学 | 専門学校 | |
---|---|---|
教育内容 |
専攻分野について、学術的な理論や知識を体系的に学ぶ。 一般教養科目もあり幅広く学べる。 |
職業に直結する知識やスキルを実践的に学ぶ。充実した実習や演習がある。 |
修業年数 | 4年(医学部や歯学部などは6年) | 1~4年 |
授業時間 | 90分授業が多い。 | 50分や90分の授業が多い。(学校や学科によって異なる) |
時間割 | 選択科目の割合が多い。自分で時間割を決められるなど自由度が高い。 | 基本的には学校で決められた時間割。 |
卒業後の進路 | 就職や大学院への進学など。 | 就職が多い。大学へ編入するケースも。 |
卒業後に得られる学位や称号 | 学士 | 専門士や高度専門士(4年制以上) |
ここでは以下の4つの視点に着目して解説していきます。
学ぶ内容
大学は専攻分野に関する学術的な理論や知識を体系的に学びます。専攻分野は、たとえば経済学や文学、経営学、法学などがあります。自分の専門を選択して学んでいきますが、一般教養科目からも履修できるのが特徴です。
一方、専門学校は職業に直結する実践的な知識やスキルを学びます。専門分野の知識や現場で役立つスキルが身に付くのは、働くうえで大きなメリットです。自分の興味のある分野に特化して学べるのもモチベーション向上につながります。また、業界のプロの講師から学べる学校も多く、学びを通して得られるものが大きいです。
時間の使い方
大学は時間割の自由度が高く、時間の使い方も比較的自由です。たとえば、水曜日は授業を午前中だけにして、それ以外の平日に授業を詰め込むなどが可能になります。
一方で、専門学校は基本的には学校で決められた時間割があるため、大学ほど時間の使い方の自由度は高くありません。多くの専門的な知識や実践スキルを身に付けて就職につなげたいという思いから、、授業後に予習や復習をするケースもあります。目指すゴールが明確な分、効率良く時間を使っているともいえるでしょう。
初任給
厚生労働省東京労働局の調査によると、都内各公共職業安定所が受理した令和6年3月卒業の初任給は以下のとおりでした。
- 大卒:216,500円
- 専門卒:201,000円
総合職として募集されているケースでは、大卒のほうが一般的に初任給が高い傾向にありますが、ホスピタリティ業界など、専門知識が必要な業界では初任給に差がないケースも多いです。
また、修業年限が4年以上など、一定の条件を満たす専門学校では、高度専門士の称号が付与されます。この場合、大卒と同等に扱われることも覚えておきましょう。
参照:厚生労働省東京労働局「令和6年3月 新規学校卒業者の求人初任給調査結果」
学費
学費は一般的に大学のほうが高いケースが多いです。
文部科学省の調査によると、初年度の私立大学の学費の平均は約147万円でした。
(公社)東京都専修学校各種学校協会の調査によると、専門学校の初年度の昼間部における平均学費は約128万円でした。
ただし、大学は学部や学科によって、専門学校も専門分野によって学費は異なります。事前に確認しましょう。
参照:文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
(公社)東京都専修学校各種学校協会「専修学校各種学校調査統計資料」
短大と専門学校は何が違う?3つの視点から違いを解説
短大は2年や3年など短期間で卒業でき、教養分野と専門分野のバランスがとれた教科課程が特徴です。大学と比べると実習も多く、専門学校との違いがわかりにくい人もいるでしょう。
ここでは、短大と専門学校の3つの違いを解説していきます。
学ぶ内容
短大は元々、女性の教育水準の向上と社会進出に貢献するための教育機関として発展してきました。そのため、女性へのニーズが高い傾向にある「幼児教育」や「食物栄養」といった分野が多いのも特徴です。
理論や研究を深めつつ、実践的で専門性のある勉強や実習をおこないます。
一方で専門学校は、先述のとおり特定の分野に関することを主体的に学び、実践的なスキルや知識を身に付けます。
学校数
短大と専門学校の学校数は大きく異なります。
文部科学省の調査によると、短大は303校、専門学校は2,693校でした。
このように、圧倒的に専門学校が多いことがわかります。自分の住んでいる地域に学びたい内容の学校があるのかどうかも重要になってくるでしょう。
参照:文部科学省「令和5年度学校基本統計(学校基本調査の結果)確定値を公表します。」
男女比
男女比の差も、短大と専門学校の違いの一つです。
同じく文部科学省の調査によると短期大学の女性の割合は87.1%でした。一方、専門学校は58.1%と男女比に大きな差はありません。
学校や専門分野によっても異なりますが、短大で女性の割合が多いのは、先述のとおり短大には女性のニーズが高い分野の学部が多いことが関係していると考えられます。
参照:文部科学省「令和5年度学校基本統計(学校基本調査の結果)確定値を公表します。」
専門学校がおすすめの人
大学や短大と、専門学校の違いを紹介してきましたが、どのような人が専門学校に向いているのでしょうか。
ここでは、専門学校で学ぶのがおすすめの人について解説していきます。
将来の夢が明確な人
将来目指している職業や取得したい資格が明確な人は、専門学校がおすすめです。専門学校では、即戦力として働くための知識やスキルを実践的に学べます。また、必要な資格も効率的に学べるため、時間を有効に使うことができ、希望する職業に就くための近道になります。
業界とのつながりや就職にも強いため、「この仕事に就きたい」と将来の夢が明確な人は、気になる専門学校を調べてみましょう。
実践的に楽しく学んでスキルを身に付けたい人
実習や演習が多い専門学校は、楽しく学びながらスキルを身に付けたい人にも向いています。興味のある分野を身体を動かしながら学べたり、現場のプロから生きている情報を得られたりするため、飽きずに楽しめる人が多いです。
講義のような授業ばかりではないので、好きなことを楽しく学びたい人にはおすすめです。
専門学校で効率良く学んでなりたい自分になろう
専門学校では、自分の興味のある分野に特化した専門的なスキルや知識が学べます。具体的に就きたい仕事や目指している業界がある人は、効率良く学ぶことができ、就職へとつなげられるでしょう。
さまざまな専門学校がありますが、東京ホテル・観光&ホスピタリティ専門学校では、3、4年制の専門学校でじっくりと学ぶことができます。また、修業年限が4年以上で一定の条件を満たせば大卒と同じ扱いの「高度専門士」の称号が得られます。
高度専門士については以下の記事で詳しく説明しています。
高度専門士と大卒の違いは?就活でのメリットや大学院進学の要件を解説
専門科目以外の専攻も無料で学べる「メジャーカリキュラム」も特徴の一つです。興味のある科目を自由に選択できるため、別の科目にも興味が出てきたときにも安心です。
東京ホテル・観光&ホスピタリティ専門学校では以下の学科・コースでホスピタリティのプロを目指せます。
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